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2009 / 12 / 1
≪熊本産業保健推進センターメールマガジン≫
第27号
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トピックス
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1 産業別最低賃金が改正されます。
熊本県の産業別最低賃金のうち以下の3業種が、平成21年12月15日から改訂
されます。
1 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業
時間給 696円
2 自動車・同附属品製造業、船舶製造・修理業、舶用機関製造業
時間給 746円
3 百貨店、総合スーパー
時間給 695円
詳しくは、熊本労働局労働基準部賃金室( 096−355−3202)、又は最寄りの労働基準監督署へお尋ねください。
http://pc.saiteichingin.info/check/areaDetail.php?code=42
http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/20091124141136.pdf
2 熊本交通労働災害防止運動の実施について
交通労働災害は、トラック運転手、営業担当者等の日常的に自動車等に乗務する者に限らず、あらゆる業種において発生するおそれがあります。特に、飲酒運転による悲惨な交通事故は今なお発生しており、運転者のモラルが厳しく問われているところです。
熊本労働局では、毎年物流量が増加し、交通労働災害の多発が懸念される年末の時期に、『熊本交通労働災害防止運動』を展開し、以下のスローガンのもと重点目標の徹底を図ることとしています。
スローガン ストップ・交通労働災害! やめよう過労運転!
期 間 平成21年12月1日〜12月31日
重点目標
1 過労運転の防止
2 危険予知運転の励行
3 安全教育(飲酒運転の防止教育を含む)の徹底
4 運転中の携帯電話の使用禁止
5 シートベルトの着用
事業場の実施事項
1 安全管理体制の確立及び安全運転のための作業管理の実施
2 適正な労働時間と運行管理
3 シートベルト着用運動の実施
4 運転中の携帯電話使用禁止の徹底
5 危険予知運転の徹底
6 交通安全教育(飲酒運転の防止教育を含む)の実施
7 睡眠時無呼吸症候群に対する適切な対応
8 安全朝礼、点呼時における労働者への啓発の実施
9 交通安全ポスターの掲示
3 新型インフルエンザ(A/H1N1)に関する事業者・職場のQ&A
職場での流行を防ぐため、厚生労働省より「新型インフルエンザ(A/H1N1)に関する事業者・職場のQ&A」が出ましたので、職場で取り組む新型インフルエンザ対策の参考としてください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/infu1013-1.pdf
4 型式検定を受けていない防じんマスク及び規格を具備しない呼吸用保護具の流通
について
先月号でも、型式検定を受けていない防じんマスクに関する情報をお知らせしたところですが、新たに厚生労働省より2件の事案について公表されました。 当該呼吸用保護具を有害な作業環境において使用した場合、健康障害を引き起こす可能性もありますので、確認をお願いします。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/11/h1110-1.html
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/11/h1110-2.html
5 高年齢労働者にも配慮した職場づくり
わが国は、急速に高齢社会に移行しつつあり、労働人口に占める高年齢労働者の割合も急速に増加してきています。このような中で、高年齢労働者は、災害発生率が若年労働者に比べて高く、若年労働者に比べて被災した場合にその程度が重くなる傾向があります。
加齢に伴う心身機能の低下等に考慮した作業環境・作業方法の改善、健康の保持増進、快適な職場環境の形成、安全衛生教育の実施などに取り組みましょう。
職場改善マニュアル(チェックリスト)については、以下をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0903-1a.pdf
6 平成21年度産業保健調査研究発表会について
労働者健康福祉機構では、毎年、産業保健に関する調査研究を行っています。
20年度は、全国で26題の調査研究が行われ、10月15日と16日に発表会が開催されました。
調査研究結果については、以下の労働者健康福祉機構ホームページに紹介しておりますので、事業場における産業保健活動の参考としてください。
http://www.rofuku.go.jp/sanpo/kadai/h21kenkyuhappyou.html
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研修・セミナー案内
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場 所 熊本産業保健推進センター会議室(熊本市花畑町1-7 MY熊本ビル8階)
時 間 14:00〜16:00(異なる場合は、「※注」を記載)
参加費 無料
※契約駐車場の無料券の配布は、21年3月で廃止いたしましたので、来所の際は、
公共交通機関等をご利用下さい。
【今月】
☆ 12月 3 日(木)『リラクセーション技法(U)』 〜実習〜中嶋 朋子 相談員
自律訓練法や筋弛緩法などリラクセーション(緊張緩和)を目的とした技法を紹
介します。職場や家庭で気軽に出来るリラックス法を体験していただきます。
☆ 12月 8 日(火) 『製造業における衛生管理活動の実際』島村 佳子 相談員
衛生5管理と巡視のポイントを実際の活動から学びましょう
☆ 12月11日(金) 『職場のメンタルヘルス』 橋村 明枝 相談員
メンタルヘルスの基礎知識、主にうつ病について学びます。
☆ 12月16日(水) 『職場における自殺の予防と対応(U)』岡田 修治 相談員
「自殺予防セミナー」より研修を行います。
【来月】
☆1月13日(水) 『事例検討(U)』 〜カウンセリング等〜
廣瀬 靖子 相談員
(対応に困っている事例があれば、ご持参ください。)
☆1月15日(金) 『健康診断後の事後処置について』 〜症例検討会〜
※注 14:30〜16:30
小柳 敦子 相談員
糖尿病、高血圧、メンタル疾患、特定疾患などを対象に健診後のフォローをいかに実施していくかを検討します。
☆1月18日(水) 『安全衛生年間計画の作成について』 藤田 泰生 相談員
労働安全衛生マネジメントシステムに基づく安全衛生年間計画の立て方の演習を
行います。
☆1月25日(月) 『特定化学物質に関する作業環境管理』 山口 浩一 相談員
特定化学物質の物性、有害性、測定等について(実際に測定を行います。)
※当センター研修会の申込みは、こちら→ http://www.kumamoto-sanpo.jp/session/index.html
〜その他の研修会ご案内〜
◎「メンタルヘルス対策及び過重労働による健康障害防止対策に係る研修会」
産業医等の医師(産業医等の労働者の健康管理、面接指導等に携わる医師)が、事業者に対してメンタルヘルス対策及び過重労働対策を助言指導するに当たっての資質向上を図るための研修会です。 (厚生労働省委託事業)
1.開催日時 平成22年1月 23 日(土)(13時00分〜17時00分)
2.開催場所 熊本国際交流会館4階(第3会議室)
熊本市花畑町4番8号 (TEL096−359−2020)
3.参加対象者 産業医等労働者の健康管理、面接指導等に携わる医師のみなさま方
4.講師 (医)佐藤会 弓削病院 診療部長 岡田 修治 先生
ソニーセミコンダクタ九州梶@専属産業医 小柳 敦子 先生
5.定員 70名(定員になり次第締め切らせていただきます。)
6.参加料 無 料
※日本医師会「認定産業医」基礎後期研修3.5単位、または生涯更新研修3.5単位が取得できます。
申込み等詳細については、コチラへ
http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/sangyouitou.pdf
◎「精神科医等に対する産業保健に関する研修会」 (厚生労働省委託事業)
精神科医等の医師が事業場からのメンタルヘルスに関する相談等に適切に対応することが出来るよう資質の向上を図るための研修会です。
1.開催日時 平成22年1月 23 日(土)(16時00分〜19時20分)
2.開催場所 熊本国際交流会館3階(研修室1)
熊本市花畑町4番8号 (TEL096−359−2020)
3.参加対象者 精神科医等のみなさま方
4.講師 熊本大学大学院医学薬学研究部 助教 皆本 景子 先生
元熊本大学大学院医学薬学研究部教授
熊本大学名誉教授 上田 厚 先生
5.定員 15名(定員になり次第締め切らせていただきます。)
6.参加料 無 料
※日本医師会「認定産業医」基礎後期研修3単位、または生涯専門研修3単位が取得できます。
申込み等詳細については、コチラへ
http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/seisinkaitou.pdf
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平成21年度研修会アンケート集計
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当センター会議室にて開催している研修会について、アンケートを集計いたしましたので皆様にお知らせいたします。
・研修会実施回数 38回(5月〜11月実績)
・受講者数 274名
・回答者数 269名
・回 答 率 94.7%
@センター研修会をどのようにお知りになりましたか?(複数回答可)
年間計画表を見て(リーフレット) 103名
ホームページを見て 77名
情報誌・他機関誌などを見て 48名
会社内や知人から聞いた 54名
来所時等 30名
その他 7名
A研修の内容について
参考になった、概ね参考になった 261名
不十分である 6名
どちらともいえない 1名
無回答 1名
Bテキスト、教材について
参考になった、概ね参考になった 254名
不十分である 9名
どちらともいえない 5名
無回答 1名
Cカリキュラムの組み立てについて
適当である 230名
時間が長い 8名
時間が短い 26名
無回答 5名
D講師について
解り易かった、概ね解り易かった 257名
解りづらかった 3名
どちらともいえない 5名
無回答 4名
以上のような結果をいただきました。アンケートに御協力頂き有り難うございました。
なお、今後とも多数のご参加をお待ちしております。
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相談員のひとりごと 基幹相談員 小柳敦子(産業医学担当)
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職場のストレスについて思うこと
職場ストレスという言葉を耳にしてから20年以上経ったでしょうか?
働く環境が悪化しているのは、確かに身近に感じています。実際職場では短期間での成果が要求され、上司の不透明な評価を気にし、連帯感も信頼関係も薄い人間関係の中で働くことが多くなっていると感じます。ストレス軽減のための対策がこれまで色々論じられていますが、本当に効果的対策はあったのでしょうか
このようなストレスの多い職場では働けませんと、まるですべての道が閉ざされた様に感じ、落胆する人もいれば、ストレスは少々多くても当たり前、私生活で自分らしく有意義な暮らしを目指そうという人も思います。
一方「癒される」という言葉も良く聞きます。実際、「傘に跳ねる雨の音に癒される。」とか「家に赤ちゃんがいるので学校から帰ると癒される。」という小中学生の声を耳にしました。私の子供時代にはない言葉でしたので驚きました。
現代人はストレス(環境や社会心理的ストレス)に過敏になり少し弱くなっているのではと思うこともあります。
嫌いな人、怖い人、厄介な人の存在やきつい仕事、できればやりたくない仕事、退屈な仕事などはあって当たり前、そんな人とのお付き合いや仕事も、誰かが何とかやらねば社会がスムーズに機能しないと私の子供のころは自然に大人に教わった気がします。
ストレスという言葉を知らぬ時代は、それほど「いやなこと」や「つらい事」を気にしてなかったのではないでしょうか。
生活の豊かさとともに、苦もなく毎日が送れるようになり、人はちょっとした「きつさ」や「人との諍い」に耐えられなくなったのではないかと思えてきます。
若い社員は上司に怒られただけで、職場を変えて欲しいとかプレッシャーを感じるなどと口にします。そのような若者は、これまで育った環境で怒られたことはなく、他の社員が上司から怒られるのを見聞きしても、こんな雰囲気の悪い職場に居たくないと訴えてきます。このようないくつものストレス要因の変化がある中で、ストレス対策を考えるのは難しいとつくづく思います。
いじめが全国トップの熊本県、自己破産率もトップというニュースも聞こえてきます。ストレスのはけ口が弱い者に向けられる、ストレス解消としての衝動的な消費ということでしょうか?誰でも何とか改善できないのかと頭も痛くなります。
ところで昨日産業ストレス学会で、自然の中で自分を解放し、ストレスを軽減するという森林セラピーの話を医師であり登山家として活動している今井通子さんからお聞きしました。森林の中を歩くことで、血圧や脈拍が安定し、ストレス反応(血液中のコルチゾールや唾液のアミラーゼ検査、NK細胞活性検査などから判断)が減少することがわかり、科学的、医学的な実験による認定を得た「森林セラピー基地」が全国38箇所に設置されているそうです。ドイツやフランスでは森林の大切さに早くから気づき、1900年代はじめ頃より、同じような取り組みがすでになされていたようです。
フィンランドについで、世界第2位の森林化率を誇る日本ですから日常に大人の遠足として森に親しむのも良いのではないでしょうか。大自然の中で人が動かしがたい大きな世界や宇宙を感じることが、こころの健康につながるのではないかと思いました。
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編集後記
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今年も残すところ1か月となりました。今年は、昨年から続く世界的な景気の落ち込みによる企業倒産や雇用不安に始まり、春先からは新型インフルエンザの恐怖に戦き続けた一年でした。来年こそは、安心して働ける職場でありますように。
センターで行う研修会も年間計画の4分の3を終え、これまで多くの方にご参加いただきありがとうございます。研修会の参加者数は、その時々の話題性を色濃く反映し、メンタルヘルスや新型インフルエンザがテーマの研修においては定員いっぱいの参加をいただいておりますが、騒音、粉じん、有機溶剤等のテーマにおいては、2,3人という状況です。来年度に向け、多くの方が興味を覚え参加いただけるテーマを数多く実施したいとは思っておりますが、かと言って参加者数ばかりに目が行き、粉じん、有機溶剤等の有害業務対策を蔑にするわけにはいかないと考えています。
最近の産業保健は、全てにおいてメンタルヘルス一色で、労働衛生週間のスローガンにも毎年「心の健康」が謳われていますが、心の健康は、本来、3管理や5管理による労働衛生というより、人事や労務の範疇ではないのかという気もしています。
いっそのこと、労働衛生週間は「産業保健週間」に変えたらどうでしょうね。
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次回の第28号は1月4日(月)配信予定です。
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