差出人: 熊本産業保健推進センター [sanpo43@mvd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年8月2日月曜日 13:41
件名: ◆◇◆熊本産業保健推進センターメールマガジン第35号◆◇◆
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2010 / 8 / 2
≪熊本産業保健推進センターメールマガジン≫
第35号
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トピックス
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1.平成22年7月1日付けで厚生労働省労働基準局長より「石綿による疾病の認定
基準の一部改正について」が都道府県労働局長あて発出されました。
詳しくは、厚生労働省ホームページから以下ページをご覧下さい。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/061013-4.html
2.平成22年8月1日から労災年金給付等に係る給付基礎日額のスライド率等が変
更されます(厚生労働省)。労災年金給付等に係る給付基礎日額のスライドとは、
給付基礎日額に労働者の賃金水準の変動に基づく一定の率(スライド率)を乗ず
ることにより、現実の稼得能力を反映させるとするものです。詳しくは
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/07/tp0723-1.html
をご覧ください。
3.中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する調査研究
本研究は、「中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策や支援のあり方に関する
調査研究と対策に必要なツール、マニュアルの開発」と「地域産業保健センター
を中心とした中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の支援の支援方策の研
究」の2テーマについて実施され、その研究成果は、前者については「予算別メ
ンタルヘルス対策支援システム」、「職場復帰支援マニュアル」、「メンタルヘルス
不調者の早期発見・早期対応の手引き」などにより、後者については「地域産業
保健センターによるメンタルヘルス対策支援モデル」などにより示されています。
詳しきは
http://www.zsisz.or.jp/images/pdf/fh_gaiyou.pdf
をご覧ください。(財団法人産業医学振興財団のホームページからも参照できま
す。)
お知らせ
? 事業主のための復職セミナーを平成22年10月4日(月曜日)、熊本市国際交流
会館に於いて開催します。メンタルヘルス不調者の「復職支援に係る実務者のため
のあり方」等について、事例検討会等を行うものです。後日、案内をホームページ
に掲載することとしております。
? 「産業医に対するメンタルヘルス対策等に関する研修会」及び「精神科に対する
産業保健に関する研修会」を平成23年1月22日、熊本市国際交流会館にて開催
を予定しています。詳しくは、改めて、当センターホームページ及びメルマガでお
知らせします。
? 第4回じん肺診断技術研修の実施について
じん肺健康診断に従事する医師としての必要な法制度の知識及び専門技術の習得を
目的として「第4回じん肺診断技術研修」が実施されます。主な募集内容は、
・期 間:平成22年9月2日(木)から9月3日(金)の2日間
・開催場所:(独)労働者健康福祉機構 総合研修センター(関東労災病院内)
所在地 〒211-0021 川崎市中原区木月住吉町1‐1
044‐431-1185(研修会場事務室)
044‐556-9867(問合先:医療事業部 勤労者医療課)
・募集人数:40名
・受講資格:じん肺健康診断等に携わる医師
・研修費用:35,000円
・産業医認定単位数
日本医師会認定産業医制度認定単位 9.5単位(申請中)
内訳 基礎研修 2.5単位 後期 7単位
生涯研修 更新 1単位 実地 2.5単位 専門 6単位
労災補修指導医認定単位(日本職業・災害学会認定)
2単位(選択科目 業務上疾病の労災補償)
※労災補償指導医の認定点数については、全ての講義を受講した場合に限りま
す。
以上のとおりとなっています。
詳しくは、労働者健康福祉機構のHP(http://www.rofuku.go.jp/:7月9日付
けで掲載されています。)をご覧ください。
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研修・セミナー案内
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場所:住友生命熊本ビル2階 共用会議室(熊本市花畑町9-24)
時間:14:00〜16:00(異なる場合は、「※注」を記載)
参加費:無 料
9月2日(木) 『労働衛生の3管理について』 加藤 貴彦 相談員
職場巡視事例と事故事例より、有機溶剤、特化物等の有害物質の正しい管理方法を
学ぶ。(講義・質疑応答)
9月7日(火) 『セクハラ・パワハラ〜職場の人間関係とストレス〜』
講 師 松下 弘子【熊本労働局雇用均等室セクハラ相談員・臨床心理士】
セクハラ・パワハラと職場のメンタルヘルス対策は非常に深い関係にあることを踏
まえて、ロールプレイングをもとにコミュニケーションの取り方、相談を受ける立
場の人の対応の仕方を考えていく。(ロールプレイング)※13:30〜16:00
9月9日(木) 『労働者を守る保護具について考える』 石原 徳一 相談員
身体部位別に、保護具の選定方法と使用方法、使用するうえでの留意点について学
ぶ。(講義・質疑応答)
9月15日(水) 『非正規社員の健康管理』について 島村 佳子 相談員
雇用形態の異なる労働者(派遣・請負・パート等)の健康確保のため、健康診断の
実施等に関する責任の所在等について学ぶとともに、派遣元の請負企業との連携方
法について学ぶ。(講義・質疑応答)
9月27日(月) 『労働安全衛生法と保護具』 山口 浩一 相談員
受講者の作業環境に応じ、正しい保護具の選定方法と使い方について助言等を行う。
(事例検討)
9月30日(木) 『リラクセーション技法(1)』 中嶋 朋子 特別相談員
心身のリラックス状態に気付くことはセルフケアのための重要なポイントである。
そのためのストレッチ体操やマッサージなどの様々なリラック法を実習により体験
する。(実 習)
? 当センター研修会のお申し込みは、こちら ↓
FAX096−359−6506又はホームページ(http://www.kumamoto-sanpo.jp)
よりお申し込み下さい。
注 4月19日より事務所移転にともない研修会場が変更となっています。ご注意下
さい。
なお、電話、FAXについては、変更はありません。
ホームページにおいて、ご確認下さい。
新会場:住友生命熊本ビル2階 共用会議室(熊本市花畑町9番24号)
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相談員のひとりごと 基幹相談員 加藤 貴彦(産業医学担当)
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生命は利己的か?!(第3回)−利他的な細胞から利他的な個体へ−
前2回では生物を構成する情報をつかさどる遺伝子の利己性と細胞の利他性について述べた。今回は個体レベルで、生命について考えてみたい。
利他的な細胞から利他的な個体へ
個体死は我々が日常用いている死の単位であるが、この個体死の種の中での意義は何であろうか。個体の死も、やはり種の中で利他的な意味を持っているのだろうか。
種という集団の中での個体の自己犠牲的な行動は、鳥類や蜂に観察される。たとえば、雁の群れが鷹に襲われると、その中の一羽が危険を知らせる警声を発し、おとりになって群れを守る行動や、蜂が巣を守るために自ら死を覚悟し、敵を一刺しする行動である。こうした利他的な行動というのは、個体の保存から見れば全く無意味なように見えるが、種の保存という観点でみると、他の個体の保存という重要な意義が見出せる。一つの個体の死は、種という類似した遺伝子をもつ他の個体を保存するのである。
それでは、もっと身近な例として、癌による個体死は種にとって不都合なことであろうか。癌は、若い個体よりも老化した個体にはるかに多く発生する。寿命の延長が癌の発生を増加させたのであって、おそらく寿命の短い生物には癌はないであろう。寿命が生物の進化の中で延びてきたことの意義はよくわからないが、子孫の安全な成長のために親の寿命延長が遺伝子にプログラムされたとすれば、老化した個体は多くの場合、すでに次の新しい世代=“子孫”を残し、子は独立していることが多い。すると、遺伝子にとってみれば、すでに自己の存続は保証され、新しい乗り物に乗り換えることができたわけである。
新しい乗り物に移った遺伝子にとっては古い乗り物、すなわち癌になるような老化した個体は、どうなろうがほとんど無関係である。老化した個体にとっての癌発生というのは、疾病というよりも、種の若返りのために必要なプログラムされた活性化因子(あるいは、必然的に生じるプログラムエラー)なのかもしれない。こうした癌のような疾病とは別に、様々な理由による個体の死は、種の保存として、さらに重要な意味をもつ。
種の保存のためには、他の種との生存競争に勝つため、優れた個体を育み、残すことが重要である。何らかの原因によって、他の個体よりも寿命が短くなった個体というのは、環境因子にしろ、個体のもつ内的因子にしろ、その原因に対しての抵抗性の弱い遺伝子をもった個体と言える。すると、種にとっては、その原因というのは、より強い個体を残すための“選択因子”なのかもしれない。その原因で死ぬような個体は、生存能力が弱い個体であり、種としては選択された方が有利な種の形をつくれるのかもしれないのである。
ただ、ここで一言つけくわえておかなければならない。一毅的な個体の強弱などというのは遺伝子以外の発生過程の異常、表現型にして身体的レベルの異常も含めるが、時、環境によってその強弱は大きく変化することを忘れてはいけない。極端な例を出せば、現在の環境下で、生存が不利だと考えられている疾患の人が、健常者よりも高い確率で生存しうるような時、環境もあるということで、現時点の我々の観点による選択の判断、予測はできない。種の中の多様性こそが、様々な選択因子に対する種の強さであり、今後、医学の進歩による遺伝子治療なども、この観点からの検討も必要だと思う。
次回は、種のレベルで考えてみたい。
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編集後記
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梅雨末期の豪雨が終わった途端、強烈な日差しと「ムッ」とするような空気におおわれた暑い夏がやって来しました。
今年の梅雨は、終盤、西日本各地で大雨を降らせた梅雨前線の北上が素早く、どこかしら、鮮やかな梅雨明けであった気がします。
とは言っても、梅雨明けとともに注意が必要なのが「紫外線(UV)」対策、最近は、紫外線に対する注意喚起の報道等を目や耳にする機会が増えてきましたが、今年の夏は「熱中症対策」と併せ、紫外線対策も必要なようです。
皆さま方は既に御承知のこととは思いますが、参考になればばと思いで紫外線対策を掲載しました。
【1】紫外線を知ろう
紫外線のUV−Bは、体内でのビタミンDを作るのに必要なように有益でもあります。(但し、1日15分程度の散歩で十分得られます。)
紫外線といえば「美容の敵」といったイメージが強いのではないでしょうか。紫外線は目に見えない光なので、視覚的に捉えられないため、ついつい紫外線対策を怠ってしまいがちですが、実は、お肌だけでなく、今現在、症状が現れなくても、皮膚ガン、白内障、日光過敏症といった健康被害も紫外線が原因で起こりうることがわかっています。
紫外線の量は、3月頃から増え始め、6月から7月がピークになりますが、海・山などのレジャーが多くなる夏休みの対策が特に大切です。紫外線(UV)は、太陽から放射される電磁波(太陽放射)の一種です。波長の長さによって、UV-A、UV-B、UV-Cに分けられます。
【2】体の外から紫外線対策
@ 目の対策 → サングラスで目をガード
紫外線は白内障の発症リスクを高めることがわかっています。
紫外線防止効果の示されたメガネやサングラスをかけて、目を守りましょう。
これにより、約90%の紫外線を防ぐことが言われています。
A肌の対策 → 見える部分には日焼け止め
衣類で覆うことができない顔などには、日焼け止めを使いましょう。顔や体には、
空からの直射日光だけでなく、地面からの照り返し、空気中で散乱する紫外線も
当たっています。
B服で対策 → 帽子や洋服でも対策を
つばの広い帽子や日傘は太陽光線を遮り、肌を守ってくれます。洋服は、長袖や
襟付きのシャツなど、体を覆う面積が多いものを着ましょう。色は、白より黒の
ほうが紫外線を通しにくいとされています。
それでも日焼けしてしまったら、水や氷で冷やしましょう。日焼けをして肌がヒリヒリするのは、やけどと同じで、炎症をおこしているためです。流水や、冷蔵庫で冷やしたぬれタオルなどで患部をおさえ、30分以上冷やしましょう。それでも強い痛みがある場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。
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次回の第36号は9月1日(水)配信予定です。
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