労働者健康安全機構 熊本産業保健総合支援センター
 

「平成29年度化学物質のリスク評価検討報告書」を公表

 

 〜事業場で使用されているピリジン等の化学物質について初期リスク評価を実施〜

 

 厚生労働省の「化学物質のリスク評価検討会」(座長:名古屋俊士 早稲田大学名誉教授)では、毎年度、事業場で使用されている化学物質による労働者の健康障害のリスク評価を行っています。このほど、 ヒトに対する発がん性が疑われるなどの5物質に関する初期リスク評価(注1)の結果を、 報告書としてまとめたので公表します。

 

 今後の取組として、「ピリジン」については、詳細リスク評価(注2)に着手することとし、「ニッケル(金属及び合金)」については、ヒューム(※)等の発生が見込まれる溶接作業に関するばく露実態調査等に着手することとします。また、こうした検討や調査などに先立ち、関係団体に対し、今回の報告書に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について要請します。

 

(※)固体物質の蒸気の凝固または気体物質の化学反応によって生じた微小な固体粒子で空気中に浮遊するもの。

 

【リスク評価結果】

■ 「ピリジン」

 初期リスク評価の結果、一部の事業場でリスクが高い状況が見られたことから、詳細なリスク評価が必要である。

■ 「ニッケル(金属及び合金)」

 ヒューム等の発生が見込まれる溶接作業に関してのデータが不足していることから、ばく露実態調査を実施した上で当該物質のばく露評価をまとめる必要がある。

■ 「テトラエチルチウラムジスルフィド」、「二塩化酸化ジルコニウム」、「メタクリル酸」

 事業場での取扱い状況等にかんがみれば、リスクが高い状況は見られず、労働者の健康障害のリスクは低いと考えられるが、有害性の高い物質であることから、リスクアセスメント等の関係事業者による自主的なリスク管理を進めることが適当である。

 

 

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