2020年8月アーカイブ

 

 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)に基づく健康診断の実施、健康診断結果についての医師の意見聴取及びその意見を勘案した就業上の措置(以下「事後措置等」という。)の実施について、改めて徹底するため、平成25年度より全国安全衛生週間準備月間である毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」(以下「強化月間」という。)と位置づけ、集中的・重点的な指導が行われているところです。

 

 本年度の強化月間については、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた労働安全衛生法等に基づく健康診断の実施等に係る対応も踏まえて、以下のとおり実施されます。

 

 

1 強化月間の取組事項

 (1)重点事項

ア 健康診断及び事後措置等の実施の徹底

 

イ 健康診断結果の記録の保存の徹底

 

ウ 一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する医師又は保健師による保健指導の実施

 

エ 新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた安衛法等に基づく健康診断の実施に係る対応

 

オ 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号。以下「高確法という。)に基づく医療保険者が行う特定健康診査・保健指導との連携

 

カ 平成30年2月5日付け基発0205第2号「特定健康診査等の実施に関する協力依頼について」に基づく定期健康診断のうち特定健康診査に相当する項目の結果の医療保険者への提供等

 

キ 平成30年3月29日付け基安労発0329第3号「地域産業保健センター事業の支援対象に関する取扱いについて」を踏まえた小規模事業場における産業保健総合支援センターの地域窓口の活用

 

 

 (2)取組の実施上での留意点

ア 派遣労働者については、健康診断に関する措置義務について、派遣元・派遣先の役割分担がなされているため、以下の事項に留意していただきたいこと。

(アI  派遣元事業場による一般健康診断、派遣先事業場による特殊健康診断の実施状況を確認すること。

(イ) 派遣元事業場においては一般健康診断及び特殊健康診断及び特殊健康診断結果の記録の保存、派遣先事業場においては特殊健康診断結果の記録の保存状況を確認すること。

(ウ) 派遣労働者に対する一般健康診断の事後措置等の実施については、派遣元事業場にその義務が課せられているが、派遣先事業場でなければ実施できない事項等もあり、派遣元事業場と派遣先事業場との十分な連携が必要であることから、両事業場の連携が十分でない事案を把握した場合は、十分に連絡調整を行う必要があること。

 

イ (1)のエについて、健康診断の実施を延期したものについては、十分な感染防止対策を講じた健康診断実施機関において、原則10月末までに実施する必要があり、やむを得ず10月末までの実施が困難な場合には、可能な限り早期に実施できるよう計画を立て、それに基づき実施していただきたいこと。また、別添1のリーフレットの活用等により、労働者に対して健康診断の受診を勧奨していただきたいこと。

 

ウ (1)のオ及びカについては、事業者が高確法に基づいて安衛法に基づく定期健康診断結果を求めた保険者に対して、当該結果のうち特定健康診査に相当する項目を提供しなければならないことを知らないこと等により、中小企業等における取組が進んでいないといった指摘がある。医療保険者への健康診断の結果の情報提供により、コラボヘルス等が推進され、労働者の健康保持増進につながることから、平成30年2月5日付け基発0205第1号「特定健康診査等の実施に関する協力依頼について」に基づき、高確法に基づく定期健康診断のうち特定健康診査に相当する項目の結果の提供の義務について、別添2のリーフレットの活用等により、改めて周知を行っていただきたいこと。

 

エ (1)のキについては、産業保健総合支援センターの地域窓口(地域産業保健センター)において、産業医の選任義務のない小規模事業場を対象として、健康診断結果についての医師からの意見聴取、脳・心臓疾患のリスクが高い労働者に対する保健指導等の支援を行っていることから、小規模事業場への指導等の際は、必要に応じて、別添3のリーフレットの活用等により、その利用を勧奨していただくこと。

 

 

 (3)健康診断以外の産業保健に関する取組の周知・啓発

 事業場における産業保健の推進を図るため、重点事項と併せて、以下の通達、ガイドライン等に係る取組についても周知・啓発を行っていただきたいこと。

ア 「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(昭和63年健康保持増進のための指針公示第1号、令和2年3月31日最終改訂)に基づく取組

 

イ 「地域・職域連携推進ガイドライン」(これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会、平成17年3月策定、令和元年9月改訂)に基づく取組

 

ウ 職場における感染症に関する理解と取組の促進に向けた対応

(ア) 「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」(平成23年5月16日策定、平成28年6月30日改訂)に基づく職域での検査機会の確保等

(イ) 平成7年2月20日付け基発第75号「職場におけるエイズ問題に関するガイドライン」に基づく取組

(ウ) 令和2年1月30日付け基安労発0130第1号「従業員に対する風しんの抗体検査の機会の提供について(協力依頼)」等に基づく抗体検査の機会の提供等

 

 

 別添1 リーフレット①.

 別添2 リーフレット②

 別添3 リーフレット③

 

 

令和2年8月19日に開催された、第132回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)において「副業・兼業を行う場合の健康確保措置について」検討されました。

 

厚生労働省ホームページ

 

 次第

 資料1 副業・兼業に係る実態把握の内容について

 資料2 副業・兼業を行う場合の健康確保措置について

 

 参考資料 副業・兼業の促進に関するガイドライン

 

 

~「見える」安全活動の創意工夫事例を募集(8月3日~9月30日)~

 厚生労働省では本年8月3日から、労働災害防止に向けた事業場・企業(以下「事業場等」という。)の取組み事例を募集・公開し、国民からの投票等により優良事例を選ぶ令和2年度「『見える』安全活動コンクール」を実施します。
 
 このコンクールは、安全活動に熱心に取り組んでいる事業場等が国民や取引先に注目される運動「あんぜんプロジェクト」の一環として実施するもので、平成23年度より実施しており、今年度で10回目を迎えます。
 応募期間は、8月3日(月)から9月30日(水)までとしており、応募事例は「あんぜんプロジェクト」のホームページに掲載し、11月2日(月)~12月31日(木)の間に実施する投票の結果等に基づいて、優良事例を決定し、令和3年2月下旬に発表する予定です。
 
 「見える」安全活動とは、危険、有害性について、通常は視覚的に捉えられないものを可視化(見える化)すること、また、それを活用することによる効果的な取組みをいいます。さらに、自社の安全活動を企業価値(安全ブランド)の向上に結びつけ、一層、労働災害防止に向けた機運を高めることも狙いとしています。
 

「『見える』安全活動コンクール」特設ページ

厚生労働省報道発表ページ

リーフレット

 

 

 令和2年の職場における熱中症予防対策について、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」(以下、「キャンペーン」という。)の実施要綱が令和2年6月22日に改正され、取り組まれているところですが、今般、7月末までに報告があった全都道府県の熱中症の件数を取りまとめたところ、昨年同時期と比較して、6月については、速報値ではあるものの、死傷者数が2倍以上となっていました。

 例年、熱中症の発症は7月から8月にかけて急増するところ、今年は、新型コロナウイルス感染症に備えて「新しい生活様式」を導入したことに伴い、在宅勤務や業務量の偏りが生じているところも多くなっています。また、令和2年7月豪雨による災害復旧作業において、蒸し暑い環境の中でがれき撤去等の作業に従事される方もおられます。7月末からの気温の急激な上昇に対し、労働者が熱純化(熱に慣れ当該環境に適応すること)していないと、熱中症の発症や重篤化が懸念されます。また、こうした状況で、夏季休暇後に、暑さに慣れていない身体で業務再開を行う際には細心の注意が必要です。

 

熱中症による月別の労働者死傷病報告数(平成31年・令和元年、令和2年)(人)

 

5月

以前

6月 7月

7月末まで

の累積数

令和2年

※同年7月末時点の速報値

14

(1)

57

(0)

22

(2)

93

(3)

 

平成31年・令和元年

※同年7月末時点の速報値

28

(0)

24

(0)

20

(7)

72

(7)

 

8月

9月

10月

以降

平成31年・令和元年

※確定値

30

(0)

45

(1)

177

(5)

252

(6)

 

472

(15)

97

(3)

(1)

 

〇 令和2年においても同様に報告数が確定すると仮定すると、7月末までの累積確定数は300人以上に上ると推定される。

〇 平成31年・令和元年8月(確定値)において、450人を超える被災者が発生したことから、本年8月以降も職場における熱中症予防対策の更なる徹底が必要である。

※ 括弧内は、死亡者数(内数)。

※ 「5月以前」は1月から5月まで、「10月以降」は10月から12月までの合計。

※ 休業4日以上の労働災害に係る労働者死傷病報告及び都道府県労働局による把握人数。

 


【厚生労働省ホームページ】

熱中症関連情報

事業者の皆さまへ「職場の熱中症予防対策は万全ですか?」2020年版(リーフレット)

蒸し暑い環境で作業をされる皆様へ「熱中症を予防するために」(リーフレット)

 

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント

令和2年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱(令和2年6月22日改正)

 

 自殺対策基本法第7条第2項において、9月10日から9月16日を自殺予防週間と位置付けられています。今般、関係省庁、地方自治体、関係団体における相談事業及び啓発活動等の取組について、とりまとめられましたのでお知らせします。

 

【厚生労働省ホームページ】

 
【熊本県】
 
【熊本市】

 

~溶接ヒュームの濃度の測定、呼吸用保護具の仕様などについて規定~

 

 令和2年7月31日(金)、「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等)(令和2年厚生労働省告示第286号。以下「告示」)を告示されました。この告示は、一部を除き、令和3年4月1日から施行されます。

 

 この告示は、金属アーク溶接等作業で発生する「溶接ヒューム」へのばく露による労働者の健康障害防止措置を規定するために改正された特定化学物質障害予防規則(以下、「特化則」)に基づいたものです。金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場での溶接ヒュームの濃度の測定方法や、その結果に基づく有効な呼吸保護具の選択・使用方法などを定めたものです。

 

告示の概要

1 溶接ヒュームの濃度の測定の方法等(特化則第38条の21第2項関係)

2 労働者に使用させる有効な呼吸用保護具の要件(特化則第38条の21第6項関係)

3 呼吸用保護具の装着の確認の方法(特化則第38条の21第7項関係)

 

「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等」を告示しました【厚生労働省ホームページ】

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