高齢労働者の労働災害防止対策の実施について

行政の動向
2020-02-03

 

 熊本労働局管内における令和元年の休業4日以上の労働災害は、12月末時点の速報値において、前年同期比で+23件(+1.3%)の1,799件となり、11年ぶりに年間の死傷災害が2,000件を超えた前年を上回る可能性があり、誠に憂慮すべき状況となっており、その内容について被災労働者の年齢別で見てみますと、50歳以上が約55%を占め、特に、60歳以上が被災する割合は年々増加しております。

 また、高齢者の災害の34%は転倒によるものですが、その被災程度を見てみますと、半数以上が休業見込1~3か月となっており、休業見込が3か月以上となるものも10%を超えており、高齢者の労働災害は重篤化が顕著となっています。

 以上から、高齢者の身体的特性(筋力、バランス能力、視力、聴力、ストレス耐性の低下等)に着目した高齢者に対する安全衛生教育の実施や、高齢者の作業を指揮命令する管理者に対する高齢者の身体的特性の理解度を高める教育の実施等によって労働災害防止対策を講じる必要があります。

 今後、人手不足の状態が続く熊本県においては、高齢労働者の活用が不可欠であり、高齢者が安心して働き続けることができる安全な職場環境の形成や、適切な運動による高齢者の健康の確保が必要です。

 事業場においても高齢労働者の労働災害を防止するための安全衛生教育の実施や、周知・啓発をお願いいたします。

 

 

エイジアクション100~ 生涯現役社会の実現につながる高年齢労働者の安全と健康確保のための職場改善に向けて ~【厚生労働省ホームページ】
高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策-先進企業の取組事例集- (中央労働災害防止協会)【厚生労働省ホームページ】
高年齢者に配慮した交通労働災害防止の手引き(高年齢になっても安全・健康に働くために)【厚生労働省ホームページ】
高年齢労働者の身体的特性の変化による災害リスク低減推進事業に係る調査研究報告書【厚生労働省ホームページ】
高年齢労働者に配慮した職場改善マニュアル~チェックリストと職場改善事項【厚生労働省ホームページ】
高年齢労働者に配慮した職場改善事例(製造業) 【厚生労働省ホームページ】

 

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