令和3年 職場における熱中症の発生状況(確定値)等について
「令和3年 職場における熱中症の発生状況(確定値)」が取りまとめられました。
(別添資料1)令和3年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値).pdf
ポイント!
・令和3年(2021年)における熱中症による死傷者数の状況
職場での熱中症による死亡者数及び休業4日以上の業務上疾病者の数(以下合わせて「死傷者数」という。) 561人
うち死亡者数 20人
過去3年の状況と比較すると、死傷者数、死亡者数ともいずれの年よりも下回った。
・業種別発生状況
令和3年の死亡災害については、建設業において、11件と最も多く発生している。
死傷者数については、建設業130件、製造業87件と、全体の約4割がこれら2つの業種で発生している。
・月・時間帯別発生状況
月別の熱中症の死傷者数をみると、全体の8割以上が7月及び8月に発生している。
時間帯別の死傷者数をみると、15時台が最も多く、次いで14時台が多くなっているが、作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院に搬送されるケースも散見された。
・WBGT値の実測
令和3年の死亡災害20件のうち、日頃からWBGT値の実測が行われていたことが確認された事例は5件のみであった。
・暑熱順化の不足が疑われる入職直後の発症
令和3年の死亡災害20件のうち、入職後間もない時期の発生が少なくとも8件、そのほか4日鵜以上の休暇後の発生が少なくとも1件含まれていた。
・屋内作業での発症
令和3年の死傷災害の22.6%は明らかに屋内で作業に従事していたと考えられる状況下で発生していた。業種別の屋内災害の割合は、製造業で約46%、農業で約36%であり、必ずしも屋外での作業でのみ発生しやすいわけではない。
屋内作業においては、炉の近傍など特定の熱源から近いところでの作業での発生がみられる。また、特定の熱源がない場合も、高温多湿と考えられる室内環境において多く発生していた。室内の冷房設備の故障時や、外気導入後の冷却が不十分な状況下での事例もある。
・熱中症の発症と年齢との比較
年齢階級別に死傷年千人率は、65歳以上が最も高く、最も低い25~29歳の約3倍である。
・熱中症発症時の服装
死傷災害の中には、通気性の悪い衣服を着用していた事例が見られた。
・熱中症発症者に対する対応や発見の遅れ
熱中症発症者の中には、体調不良を訴え休憩させた際に周囲に目が行き届かず、気づいたときには様態が急激に悪化していたり、一人作業時に倒れているところを発見されたりと、発症から救急搬送まで時間が掛かっていると考えられる事例も複数あった。
その他、医療機関での診察を受けて快方に向かったものの、帰宅後に悪化し、重症化した例も見られた。
・熱中症を原因とする二次災害
熱中症により、意識を失い転倒し、頭部や胸部を強く打った事例、車両の運転中に発症し交通事故に繋がった事例などが見られた。
(別添2)令和4年「Stop!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱.pdf