除じん性能を有する電動工具に係る石綿等粉じんの発散防止措置の見直し

行政の動向
2023-06-21

 

 ~「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」の報告書~

 

報告書のポイント

 

【石綿等の切断等作業等に係る措置の見直し(石綿則第13条関係)】

文献調査および実証試験結果を踏まえると、除じん性能を有する電動工具の使用は、石綿等の湿潤化と同等以上の粉じん発散低減効果を有するものであると認められる。

 

石綿等の切断等の作業等(石綿障害予防規則第6条の2第3項に規定する作業および第6条の3に規定する作業を除く)における粉じん発散防止措置については、「湿潤化」に限定せず、「湿潤化、除じん性能を有する電動工具の使用その他の石綿等の粉じんの発散を防止する措置」のいずれかの措置を行うことを義務付けるよう見直すべきである。

 

【石綿等の切断等作業等に係る措置の見直し(石綿則第6条の2第3項、第6条の3関係)】

文献調査および実証試験から、除じん性能を有する電動工具には、十分な石綿等の粉じん発散低減効果があることが認められる。

 

石綿等の切断等の作業においては、有効な呼吸用保護具の使用も義務付けられていることを踏まえると、電動工具を使用する作業においては、除じん性能を有する電動工具を使用することにより、労働者の石綿のばく露を低減しつつ、感電の危険性や剥離剤による有害性を避けることができ、作業場の安全衛生状況が全体として向上することが期待できる。

 

作業内容に応じた、最適な粉じん発散防止措置を作業場で適切に講ずることができるよう、「常時湿潤化」に限定せず、「常時湿潤化、除じん性能を有する電動工具の使用その他の石綿等の粉じんの発散を防止する措置」のいずれかの措置を行うことを義務付けるよう見直すべきである。

 

<見直しにあたっての留意事項>

・今回の見直しは、電動工具による石綿等の切断等を推奨するものではない。石綿等は切断等以外の方法(ボルトや釘等を撤去し、手作業で取り外すこと)で行う必要があり、これを実施することが技術上困難な場合に限り、電動工具等で石綿等の切断等を行うことが認められているという従来の考え方を変えるべきではない。

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