第37回(令和5年度)全国作業環境測定・評価推進運動
お役立ち情報
2023-08-08
(公社)日本作業環境測定協会では、作業環境測定の実施率の向上と普及を目的に、昭和62年から「作業環境測定・評価推進運動」を実施されています。
1 | 趣 旨 |
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(1) | 近年、事業場に新たな原材料、化学物質等が速いテンポで導入され、これらを用いる作業にかかるリスク管理の対応が求められています。 |
(2) | 国は、化学物質による労働者の健康障害を防止するため、一定の危険・有害性のある化学物質について、[1]化学物質のリスクアセスメントを行うこと、[2]譲渡提供時に容器などへのラベル表示を行うこと、[3]譲渡提供時に安全データシート(SDS)の交付を行うこと――を義務づけています。このような化学物質のリスク管理のための法令整備が進む一方で、労働者が安心して働ける作業環境の実現には、まだまだ課題が残されています。 |
(3) |
「作業環境測定」(個人サンプリング法を含む)及び「測定結果の評価」は、作業場所の空気中における有害物質の濃度を定量的に把握し、作業環境が働く方々に問題のないものであるか否かを判定し、作業環境の改善につなげるものであり、化学物質等を製造しまたは取り扱う職場を中心に、「リスク評価、リスク管理」の中核を担うツールとなっております。 (2)のような状況を踏まえれば、法令により作業環境測定を義務付けられている作業場にとどまらず、一定の危険・有害性のある化学物質に係る作業のリスクアセスメントの手法としてその有効性を改めて事業場に認識していただく必要があるとともに、作業態様に即して個人サンプリング法の効果的な活用についてもご理解をいただく必要があります。 |
(4) | 「公益社団法人日本作業環境測定協会」は、「作業環境測定及びその結果の評価」が適正に実施されることが、働く方々の健康障害を防止し、快適な職場の実現を図る基本であることから、これについて事業主をはじめ事業場関係者の皆様の認識を深めていただくため、厚生労働省の後援をいただき昭和62年から毎年、「全国作業環境測定・評価推進運動」を行ってまいりました。 |
(5) | その第37回を迎える本年度は、協会と会員作業環境測定機関・自社測定事業場及び作業環境測定士が先頭に立って、行政及び関係者との連携のもとに、[1]事業場に対し法定作業環境測定の完全実施を促すこと、[2]作業環境測定が化学物質のリスクアセスメントの有効な手法であることの理解とリスクアセスメントの実践を促すこと、[3]一部作業場における個人サンプリング法の適用にかかる広報を行うこと、[4]化学物質の自律的管理に向けた動向にかかる広報を行うこと、[5]国公立大学法人・私立大学等における作業環境管理の理解と実践を促進すること――の5点に力点を置いて展開いたします。 |
2 | 実施期間 |
令和5年9月1日から9月30日 なお、令和5年6月1日から8月31日までを準備期間とします。 |
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3 | 推進運動の標語 |
作業環境測定・評価で進めよう あなたの職場の自律的な化学物質管理 | |
4 | 主催者 |
公益社団法人日本作業環境測定協会〔本部及び全国13支部(北海道、東北、北関東、京葉、神奈川、北信越、東海、京滋、大阪、兵庫、中国、四国及び九州の各支部)において展開する。〕 | |
5 | 後 援 |
厚生労働省、中央労働災害防止協会、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会 | |
6 | 協 力 |
一般社団法人日本鉄鋼連盟、一般社団法人日本化学工業協会、公益社団法人日本保安用品協会、日本労働衛生工学会 | |
7 | 実施者 |
全国の事業場 作業環境測定士、作業環境測定機関、自社測定事業場 |
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8 | 主催者の実施事項 |
(1) | ポスター、リーフレット等の作成・配布による測定の意義や関係法令の改正等の広報(本部及び支部) |
(2) | 機関誌、ホームページ、マスコミ等を通じての広報活動(本部及び支部) |
(3) | 関係事業場等に作業環境測定・評価及び作業環境の改善と、化学物質等のリスクアセスメント手法としての測定の重要性の理解と実践、化学物質の自律的管理を促すための講演会、講習会、説明会、相談会等の開催(支部) |
(4) | 国公立大学法人及び私立大学等に対する法令に基づく作業環境測定及び評価の理解の促進と支援(本部及び支部) |
(5) | 各都道府県労働局、労働基準監督署並びに中央労働災害防止協会及び業種別労働災害防止協会、一般社団法人日本化学工業協会等の業種別団体、独立行政法人労働者健康安全機構都道府県産業保健総合支援センター等との連携(本部及び支部) |
9 | 作業環境測定機関として実施する事項 |
(1) | 作業環境測定未実施事業場に対して実施の勧奨を行う。 |
(2) | 関係事業場に対して8(1)のリーフレット等を利用して作業環境管理にかかる法令改正事項等の周知を図るとともに、事業者によるリスクアセスメントの一環としての作業環境測定に対する理解とその積極的実施を促す。 |
(3) | 委託測定事業場に対して常に適正な作業環境測定・評価の実践の重要性の理解を促すとともに、作業環境管理、化学物質管理等について適宜支援することにより、その信頼と満足を得るように努める。 |
(4) | 本部が実施する総合精度管理事業への積極的な参加、内部精度管理の励行及び本部・支部の研修に参加する等により、常に技量の維持に努める。 |
(5) | 測定機器の点検整備、特にサンプリングポンプ、流量計の点検・整備の定期的な実施及び相対濃度計の整備・較正の定期的な実施を励行する。 |
10 | 自社測定事業場の実施事項 |
(1) | 作業環境測定基準、作業環境評価基準等の関係法令の改正内容について確実な理解を図るとともに、これらに基づく作業環境管理対策の見直しを行う。 |
(2) | 構内協力事業場等に対し、適宜作業環境測定、作業環境管理の推進を促すとともに、必要に応じて支援を行う。 |
(3) | 作業環境測定結果の評価に基づく作業環境の改善の的確な実施を図る。 |
(4) | 衛生委員会にできる限り作業環境測定士を参加させる。 |
(5) | 作業環境管理に関して作業環境測定士と事業場内産業保健関係者(産業医、衛生管理者等)との有機的な連携の確立に努める。 |
(6) | 測定機器の点検整備、特にサンプリングポンプ、流量計の点検・整備及び相対濃度計の整備・較正の定期的な実施を励行する。 |
(7) | 本部が実施する総合精度管理事業への積極的な参加、内部精度管理の励行及び本部・支部の研修に参加する等により、常に技量の維持に努める。 |
11 | その他事業場の実施事項 |
(1) | 指定作業場等にかかる作業環境測定及び溶接ヒュームにかかる測定の作業環境測定機関への委託を励行するとともに、当該測定結果については作業環境測定機関との十分な意思疎通を確保し、適正な作業環境改善の実施につなげる。 |
(2) | 作業環境測定及びその結果の評価及びこれに基づく改善措置について衛生委員会における審議事項として取り上げ、実効あるリスク管理につなげる。 |
(3) |
8(1)のリーフレット等の利用、作業環境測定機関等の積極的活用により、溶接ヒュームの測定にかかるものを含む作業環境管理にかかる最近の法令の改正等および必要な対応について確実な理解と実践を図る。
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