工作物の事前調査における調査者制度等について
石綿の暴露等の防止については、関係法令に基づき、建築物又は工作物等の解体又は改修の作業を行うときは、あらかじめ石綿の使用の有無を調査(以下、「事前調査」という。)することが事業者に義務付けられています。
こうした中、石綿障害予防規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第2号)、大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(令和5年環境省令第10号)等の施行により、一部の工作物について、令和8年1月1日以降着工の工事から、工作物石綿事前調査者等に事前調査を行わせることが事業者に義務付けられます。
これに伴い、関係事業者においては、工作物の事前調査の的確な実施に向けて、工作物石綿事前調査者の確保・育成等、計画的な準備が必要となります。
また、一定規模以上の建築物及び工作物の工事については、関係法令に基づき、労働基準監督署及び都道府県等に事前調査結果を報告することが事業者に義務付けられており、引き続き同報告を徹底していただくことが必要です。
第1 工作物石綿事前調査者制度について
1 施工までの期間における工作物石綿事前調査者の確保・育成
(1)事前調査の実施に必要な工作物石綿事前調査者を確保すること。なお、県内においてはボイラ協会熊本支部において工作物石綿事前調査者の講習を行っているが、今後申し込みが殺到することが想定されるため、講習の申込みは計画的にお願いしたいこと。
(2)工作物石綿事前調査者等の講習を実施する機関や受講資格等は「石綿総合情報ポータルサイト」に掲載されていること。
2 各事業者において、事前調査実施方法についてのマニュアル、手順書、社内規定等を整備している場合には、法令改正の内容を踏まえ、必要に応じて工作物事前調査に係る見直し等を行うこと。
第2 事前調査結果の労働基準監督署及び都道府県等への報告の徹底について
1 規模に関わらず建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。)の解体又は改修の作業を行うときは、事前調査の実施が義務付けられているが、下表①~⑤に該当する工事については、事前調査の結果を労働基準監督署及び都道府県等に対して石綿事前調査結果報告システムによって報告する必要があること。
① |
建築物の解体工事(解体作業対象の床面積の合計80㎡以上) |
② |
建築物の改修工事(請負金額100万円以上(税込)) |
③ |
工作物の解体・改修工事(請負金額100万円以上(税込)) |
④ |
建築物と工作物が混在するものの解体工事又は改修工事を一括で請け負っている場合であって、次のア又はイのいずれか1つでも該当する場合 ア 建築物の解体工事に係る部分の床面積の合計が80㎡以上 イ 建築物及び工作物の両方を含めた工事全体の請負金額100万円以上(税込) |
⑤ | 鋼製の船舶の解体・改修工事(総トン数20トン以上) |
2 事前調査の結果、石綿が使用されていないことが確認された場合であっても、上記1の表に該当する工事の場合は、労働基準監督署及び都道府県等に対して「石綿含有なし」の旨を報告する必要があること。
3 事前調査の実施は、文書確認及び目視確認による方法が原則であるところ、別添2の方法であれば、目視確認を省略できることになっている。目視確認省略の事前調査を実施した場合であっても、上記1の表に該当する工事の場合は、労働基準監督署及び都道府県等に対して「石綿含有なし」の旨を報告する必要があること。